大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1754 判決

主 文

本件再上告を棄却する。

理 由

弁護人後藤助蔵上告趣意について。

所論の訂正挿入は、権限ある書記によつて適法になされていると認めることがで

きる。また、第二審判決認定の第一の(二)の罪を犯すに当つて妻Aと共謀したと

の事実について、同判決が証拠に依らないで事実を認定した違法を、原上告判決が

一方において認定しながら、他方において該違法は被告人に対する科刑には毫も影

響を及ぼさないと判示した点は、上告論旨のまさに指摘しているごとく、是認し難

いもののようである。しかしながら本件は再上告事件であるから、憲法適否を上告

理由とするものでなければならない。そこで、所論の憲法第三七条にいわゆる、公

平な裁判所の裁判とは、偏頗の虞のない公正な組織構成をもつた裁判所の裁判を意

味し、個々の具体的な裁判が公平な結果を得ていることを保障した意義を有するも

のでないことは、当裁判所の判例とするところである。されば、「裁判の公平を疑

うに足るべき充分なる事由のある場合」は、憲法同条に違反するとなす所論には賛

同することができない。論旨は結局理由なきものとして採用することを得ない。

被告人上告趣意について。

第二審は、証人Bの申請を却下しておきながら、その判決が同人の第一審公判廷

における供述記載を証拠として採つていることは、まさに所論のとおりである。し

かし、同証人は第一審の公判廷において尋問せられたものであるから、被告人には

すでに尋問の機会は与えられている。従つて、その供述記載を証拠にとることは、

刑訴応急措置法第一二条又は憲法第三七条第二項に違反するものと言うことはでき

ない。論旨は、それ故に理由がない。次に論旨のその余の点は、結局証拠の取捨に

つき非難するものであつて、法律審適法の上告理由とはなし難い。

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よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 宮本増蔵関与

昭和二四年三月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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